「赤ちゃんと旅行へ行きたい」と思っても、小さな子連れでの旅に不安、あるいは周りからの目が気になるというママ&パパも多いのでは？実はここ10年ほどで子連れ旅行の環境は大きく変化しています。今回は、今どきの赤ちゃん・子連れ旅行について、「皆はどうしているのか？」の実態や背景を探ります

子連れ旅行デビュー、トップは生後６ヵ月～１歳未満、半数が1歳までに

ハッピー・ノート・ドットコムが実施した「子連れ旅行実態調査(2013年実施)」）によると1泊以上の子連れ旅行デビューの年齢は、
1位：「６ヵ月～１歳未満（32.2％）」
2位：「１～２歳未満（21.0％）」
3位：「６ヵ月未満（18.9％）」
という結果に。
詳細：http://www.happy-note.com/research/10588.html
1歳未満で51.1％、実に半数以上の方がお子さんとの旅を体験しています。私には中学生の息子がいますが、息子が小さな時は「子連れ旅行」という言葉も一般的ではなく、赤ちゃん連れで旅をしているとびっくりされることも。それが、今では多数派に！ さて、その背景はどこにあるのでしょう？

背景1：乳幼児のママはストレスフル！解消には「ひとり時間」が必要

乳幼児を持つママたちへ、パルシステム生活協同組合連合会が聞いた「育児ストレスの解消に何が必要だと思うか（2013年）」という調査によると、
1位：「自分ひとりの時間(85.5%)」
2位：「夫の手伝い・サポート(69.8%)」
3位：「睡眠(64.5%)」という結果に。
(詳細：http://www.pal.or.jp/group/research/2013/130515/research.pdf）
核家族化が進み、24時間我が子と一対一で向き合うママに休みはありません。自分の為に時間をつかいたいというのは、我が侭ではなく多くのママが感じていること。実は、1歳未満のお子さん連れの旅行も、ママの癒しが主目的。旅先なら家事に追われることが無く美味しいものを食べてゆっくりできます。またパパにちょっとだけお子さんを任せたり、プチ託児のサービスも増えていますから、ほんの一時、自分の時間を作ることもＯＫ。育児は長期戦、しっかり休んで日常の活力を得るセルフメンテナンスも重要です。

背景2：乳幼児連れの旅行に対してサービスも充実

旅行業界も、乳幼児のお子さん連れの旅を応援しています。例えば「移動中、子どもが騒いだらどうしよう？」と心配される方も多いかと思います。ＪＲ東海ツアーズでは、夏休みや年末年始など繁忙期に、小学生以下の子ども連れ専用の東海道新幹線「ファミリー車両」を販売。子連れ同士お互い様という心理的なハードルがさがり、また人数プラス1席がついてくるため、ベビーカーなど大きな荷物があっても安心と人気。JALでは、通常の座席より余裕があり快適な「クラス J」の後方に、3歳未満の赤ちゃん連れ優先座席を設けています。　

海外旅行の商品も乳幼児連れ向けに、いろいろな選択肢を用意

海外旅行でも、ファミリー向けの商品が多く販売さています。特に夏には、子どものベッド利用や食事の条件を細かく設定し、最適なプランを選べるツアー商品（わいわいファミリー（JTB)、ふぁみバケ(日本旅行）など)が販売されています。2009年の販売以降人気の子連れ専用飛行機で行くJALパック「家族専用機ファミリージェットハワイ」は、今年も8月に運行が決まっています。赤ちゃん連れで旅行する波は、今や海外進出の時代ともいえますね。

首が座ったらデビュー!　国内旅行の近場からスタートしてみては

いかがでしたか？今のママ&パパが羨ましいくらい、環境は整い小さな子連れの旅行への理解も進んでいます。とはいっても、やはり年齢に応じたお子さんへの配慮は必要。私がおススメする子連れ旅行デビューは、首が座る生後4か月ごろから。この時期はママの心身のストレスもピークです。できれば移動の負担が少ない近場で、好みの宿を見つけて出かけて見てはいかが？

ウェルカムベビーのお宿
赤ちゃんの首が座ったら、ママの疲れを癒すご褒美旅へ

著者

旅行ジャーナリスト 村田和子

1969年生まれ、1児の母。新聞・雑誌・テレビ等で、消費者目線で役立つ情報を提供し、旅行サイトや宿のアドバイザーとしても活躍。2011年、子連れで47都道府県を制覇した経験から、家族旅行を応援するサイト「家族deたびいく」の運営開始。2013年、子どもの成長と家族の絆を深める「村田和子式 親子の旅育メソッド」を発表。家族旅行のスペシャリスト。