赤ちゃん・子連れ旅行のHow To記事

赤ちゃん子連れに優しい企業

赤ちゃんのお出かけをサポート、ファミリーが元気な街へ~JR西日本

赤ちゃんのお出かけをサポート、ファミリーが元気な街へ~JR西日本

京阪神のJR各駅で見かける「とことことん」は、子どもの笑顔が表紙を飾る、JR西日本発行の無料情報誌です。沿線のスポットや子連れのお出かけに役立つノウハウ、そして鉄道会社ならではの“電車”をテーマに親子の絆が深まるコンテンツも満載! 今回はそんな「とことことん」の編集に携わる、JR西日本 創造本部 ビジネスプロデュースグループの原田靖子さんにお話を伺いました。

沿線の魅力を伝え、移り住んでもらう為にスタート

沿線の魅力を伝え、移り住んでもらう為にスタート

2015年12月発行の冬号で第17号となる「とことことん」は、年4回発行する、未就学のお子さんがいるファミリーをターゲットとした情報誌。
「もともとは、ファミリー層にJR西日本の沿線に移り住んでもらうことを目的にスタートしました。お子様が学校にあがる頃には、定住先を決められるご家庭が多いことから、誌面も未就学児を対象にした内容にし、若いママ&パパに沿線の魅力を伝えることに力を入れています(原田さん)」

創刊当初の2011年は、駅や駅ビル等のハードの整備や開発は進んでいたものの、ソフト面での施策は皆無。そこで「情報」をキーに沿線の魅力を伝えようと「とことことん」が誕生したといいます。毎号JR西日本の駅にフォーカスし、子連れ向けの施設や公園、生活環境などを、実際に住んでいるファミリーのコメントなどを交えながら紹介するコーナーや、最近はお出かけやイベント情報も充実させているといいます。

孤立しがちなママにも気軽に外出してほしい、ファミリーが元気な街は魅力的

孤立しがちなママにも気軽に外出してほしい、ファミリーが元気な街は魅力的

「鉄道を使ってお出かけをされる子連れの方が増えたことから、何かサポートできればと思い、子連れにおすすめの沿線スポットの紹介や、逆に躊躇する方の背中を押すような企画も盛り込んでいます。」と原田さん。

例えばJR大阪駅周辺は大型の再開発が進み、子ども連れで買い物や食事が楽しめる人気の場所。でもベビーカーで移動するとなると、迷ったり不便を感じるという声もあったといいます。
「施設が充実した分、駅の全貌がわかりにくくなってしまって。特にお子様連れのお客様は移動時のストレスを感じやすく、些細なことからお出かけが台無しになってしまうこともあります。

JR大阪駅近隣をベビーカーで楽しむ為に役立つ、エレベーターの場所やベストルートを紹介したところ、とても好評でした。」と原田さん。転勤で大阪に来たママからは、「とことことんの特集を見て、思い切って出かけてみた」といううれしい感想も寄せられたそう。作成にあたっては、原田さん自ら図面を片手に現場を訪れて、ベビーカーで不都合がないかなどをチェックしたといいます。

頑張る企業とファミリーの橋渡し。オリジナルの体験イベントが人気

「『鉄道で旅いく』コーナーでは、沿線で楽しむという意図から、親子イベントの実施にも取り組んでいます(原田さん)」。その際大切にしているのは、受け入れ側も沿線の地元企業や施設からセレクトすること。世界的なブランド品も手がけているのに地域の人には馴染みが薄い、大阪の捺染工場の染め体験のイベントでは「近隣の方に活動を知ってもらう好機となった」と企業の方にも喜ばれ「第二回目の実施を企画中(原田さん)」といいます。

他にも、もともと開催はしていたけれど集客がいまひとつだった体験プログラムが、とことことんでの紹介を機に、遠方から足を運ぶ方が増えた等、企業と沿線ファミリーをつなぐ存在になっているのを感じます。

企画から編集までこなすモチベーションは、子どものキラキラとした目

企画から編集までこなすモチベーションは、子どものキラキラとした目

子育て環境を整えたいという強い意志を持ってJR西日本に就職したという原田さん。入社4年目で、出産は未経験ですが「子ども目線、親の立場としてはどちらかというとパパ目線が得意」といいます。企画に際しては、必ず編集部のママ社員やイベントに参加したママの意見に耳を傾けるそう。「子どもは喜ぶけれど、ママ的にはちょっと……という微妙な感覚は現役ママの声が一番ですね(原田さん)」

JR西日本の情報誌ということから様々な制約もあり、時に難しさを感じることもあるといいます。そんな原田さんの原動力になっているのは、「キラキラと目を輝かせる子どもの笑顔」。お話しを聞いていて、若い方が子育て世代を応援してくれる、なんとも頼もしさを感じました。

広がる夢。次号では京都の鉄道博物館を特集

広がる夢。次号では京都の鉄道博物館を特集

原田さんが所属する創造本部は、流通業・不動産業をはじめとする様々な生活関連サービス事業が対象。
「まだ夢の話ですが、『とことことん岡山版』など、JR西日本の各支社で水平展開なども出来るといいですよね。また情報誌だけではなく、子育て世代が快適に楽しく過ごせるように、例えば地域の企業やNPOとのタイアップなど新しい取り組みにも挑戦したい。」と抱負を語ってくれました。

次号3月発行の春号は、京都に4月29日にオープンする“京都鉄道博物館”を特集。とことことんは、JR西日本の各駅、及び病院や保育園で配布する他、最新号と前号については、webで閲覧OK。ぜひ関西にお住まいの方や関西にお出かけの予定がある方は、のぞいてみてくださいね。


■JRおでかけキッズ
https://www.jr-odekake.net/navi/kids/
※とことことん最新号&前号の他、子連れで楽しめる鉄道コンテンツが豊富
■京都鉄道博物館

http://www.kyotorailwaymuseum.jp/

著者

旅行ジャーナリスト 村田和子
旅行ジャーナリスト 村田和子
1969年生まれ、1児の母。新聞・雑誌・テレビ等で、消費者目線で役立つ情報を提供し、旅行サイトや宿のアドバイザーとしても活躍。2011年、子連れで47都道府県を制覇した経験から、家族旅行を応援するサイト「家族deたびいく」の運営開始。2013年、子どもの成長と家族の絆を深める「村田和子式 親子の旅育メソッド」を発表。家族旅行のスペシャリスト。