赤ちゃん・子連れ旅行のHow To記事

赤ちゃん子連れに優しい企業

客室乗務員は赤ちゃん連れの味方。機内では手を借り快適な旅を ~JAL(日本航空株式会社)前編

客室乗務員は赤ちゃん連れの味方。機内では手を借り快適な旅を ~JAL(日本航空株式会社)前編

赤ちゃん・子連れに優しい企業レポート、今回はJAL(日本航空)編です。前編は、客室本部客室品質企画部 企画・運営グループ グループ長 吉原 実佳さんに伺った、機内での快適な過ごし方、子連れサービスやお手伝いをお願いするコツなどを紹介します。

後編では、知って便利な「JALの赤ちゃん・子連れ向けサービス」について紹介。乗務員の方の温かいホスピタリティや子連れ向けのサービスを知れば、飛行機利用の不安も解消されること間違いなしです。

体温調整をしやすい服装やお菓子、お気に入りグッズの準備を

体温調整をしやすい服装やお菓子、お気に入りグッズの準備を

※写真:2015年夏~9月末(在庫なくなり次第終了) 沖縄着全便の機内で子どもにプレゼントした特別なグッズ。飛行機がモチーフのリュックにサングラスを掛けた子ども達が、空港に溢れて可愛かったそうです。

赤ちゃんが機内で静かにしてくれるかどうかという不安は、飛行機での旅行につきもの。
「機内ではどうしても、空調やお食事時間などが、お子さんの欲求と一致せず、ぐずる原因になると感じます。脱ぎ着しやすい服装を心がけ温度調整をこまめにする。空腹を感じないようにお菓子やミルクなどの準備をされるといいと思います(吉原さん)」
万一の為に、お子さんの着替えは機内荷物に入れ、「持たせておけば安心する、日頃お気に入りの玩具や毛布を持参されるのは効果があります(吉原さん)」。ぐっすり眠る赤ちゃんも多いそう。

便利なアプリはイヤホン持参で。ぐずったお子様にはコップを利用しおもちゃも  

便利なアプリはイヤホン持参で。ぐずったお子様にはコップを利用しおもちゃも  

※写真:ぬりえを持参している客室乗務員の方もいらっしゃるそう。困ったら機内で聞いてみては?

最近は、快眠系やお絵かき系などのアプリや、長距離ではDVDを利用される方も多いとか。
「音がするものは周りに迷惑となるのでイヤホンの持参をお願いしています。また興奮して歌ったり踊り出して逆効果になってしまう場合も。予めお子さんと静かに観るなど約束をしてお楽しみ頂くといいかと思います(吉原さん)」

子どもがぐずった際には客室乗務員の方は心強い存在です。 「お困りの時には、機内にあるコップや手袋、ストローなどを使い、おもちゃを作ってあやすこともありますね(吉原さん)」

実は私も息子を連れて沖縄へ行く際に大泣きをされ途方に暮れた経験があります。JALの客室乗務員の方が、コップと飴で即席の「がらがら」を作ってくださり助かりました。
「仲間同士で情報交換などをして、結構機内グッズを使ったおもちゃのレパートリーもあるんですよ。」と吉原さん。

幼い兄弟の場合は、上のお子さんへのケアが大切

幼い兄弟の場合は、上のお子さんへのケアが大切

「赤ちゃんのいる兄弟を連れてママ1人で搭乗するケースでは、上のお子さんに積極的にお声がけをするようにしています(吉原さん)」こういった赤ちゃんのいる幼い兄弟の場合、機内で爆発してしまうのは、経験上、お兄ちゃん、お姉ちゃんが多いそう。

考えてみると機内では、ママは赤ちゃんのケアに気をとられピリピリしてしまうことも多いもの。そんなママに不安があっても甘えることもできず、我慢が限界に達してしまうお子さんが多いようです。

そんな時は、ベルト着用サインが消え気流が安定していれば、化粧室まで気分転換に散歩に誘うそう。
「『ママは助かるね。お兄ちゃんが頑張っているからだね』と声掛けをすると、席に戻ってからも落ち着くことが多いですね(吉原さん)」。
お兄ちゃん、お姉ちゃんといえども幼く、機内では漠然とした不安や寂しさを感じるもの。搭乗前に「頼りにしているからね。よろしくね」など、ママが声掛けをすることで、グッとお子さんの気持ちも和らぐかもしれません。

哺乳瓶の洗浄や、ママが化粧室へ行くときは赤ちゃんの御世話も

機内では、ミルクの調乳に加え、哺乳瓶の洗浄もお願いできます。また意外なところでは「お母様が化粧室を利用する際、お子さんの御世話をすることは多いです(吉原さん)」。機内の化粧室にはおむつ替えシートはありますが、ベビーキープはありません。

「お母様にとっては緊急事態。気軽にお声がけ頂いて大丈夫ですよ」と心強いお言葉。

客室乗務員からの声がけは迷うことも。ママから要望を伝えるのが〇 

客室乗務員からの声がけは迷うことも。ママから要望を伝えるのが〇 

※写真:客室本部客室品質企画部 企画・運営グループ グループ長 吉原 実佳さん

「こちらからお声掛けをしたくても、失礼になってはいけないし……と躊躇することも多いです」と吉原さん。

例えば、泣いているお子さんにジュースや飴をすすめようと思っても、「甘いものは食べさせないルールというご家庭も多いので迷いますね。化粧室や授乳などでお困りかな?と思っても、こちらからお声がけして違うと失礼ですし。遠慮なく要望をおっしゃって頂くとこちらも助かります(吉原さん)」

ただし、飲み物の提供時や離発着時など、他の業務に従事している間はすぐに対応が難しいので、タイミングを見計らってお願いをしましょう。子育て経験のある乗務員の方も多く、親身にサポートをしてくれますよ。 後編では、JALの便利な子連れサポートについて紹介します。



<取材協力>
日本航空

<関連リンク>
JAL(日本航空)  http://www.jal.co.jp/
JALスマイルサービス http://www.jal.co.jp/smilesupport/

著者

旅行ジャーナリスト 村田和子
旅行ジャーナリスト 村田和子
1969年生まれ、1児の母。新聞・雑誌・テレビ等で、消費者目線で役立つ情報を提供し、旅行サイトや宿のアドバイザーとしても活躍。2011年、子連れで47都道府県を制覇した経験から、家族旅行を応援するサイト「家族deたびいく」の運営開始。2013年、子どもの成長と家族の絆を深める「村田和子式 親子の旅育メソッド」を発表。家族旅行のスペシャリスト。