赤ちゃん子連れに優しい企業
家族の時間をデザインする。新しいファミリーレストラン
「100本のスプーン」 株式会社スマイルズ(前編)
2015年4月、商業施設「二子玉川ライズS.C」の一角にオープンしたファミリーレストラン「100本のスプーン FUTAKOTAMAGAWA(二子玉川)」。ガラス張りの店内は、ファミリーレストランと呼ぶには申し訳ないほどお洒落で、料理も本格的。コンセプトは「コドモがオトナに憧れて、オトナがコドモゴコロを思い出す。」
今回は新しいスタイルのファミリーレストラン「100本のスプーン」について、事業立上げに関わり、事業部長でいらっしゃる山崎竜馬氏にお話を伺いました。
Soup Stock Tokyoファンが家族と一緒に楽しめるレストラン
100本のスプーンは、もともとはSoup Stock Tokyo(スープストックトーキョー)が展開するファミリーレストランとして、2012年に神戸三田プレミアム・アウトレットからスタート。現在、あざみ野、二子玉川をあわせて3店舗を展開します。
「Soup Stock Tokyoをご利用くださるお客さまは20代~30代の女性でおひとりでのご利用が多いのです。オープンから16年が経ち、結婚や出産などのライフイベントを経たお客様が、ご家族連れでも楽しんでもらえるようにと100本のスプーンは誕生しました」と山崎氏。社員も半数以上が女性、その中にはママさん社員も多く「子ども連れでいけるところが少ない。ならば自分たちで」という思いも強かったそう。
大人は快適、子どもはご機嫌。笑顔がこぼれる工夫がいっぱい
「二子玉川の開業にあたり従来のメニューやコンセプトを一から見直し、3歳から5歳のお子様をお持ちの方に外食でのストレスを徹底的にヒアリングしました。」と山崎氏。全ての席にベビーカーでアクセスできるように、店内の段差にはスロープを設置し、座席もゆったりと配置。
「通常の飲食店よりも、坪あたりの席数を絞り、高級レストラン並みにゆったりと寛げるようにしました(山崎氏)」
店内にはおむつ替えシートに加え、授乳室も完備。休日には待ち時間が発生するほど人気だとか。他にも、待ち時間に子どもが退屈しないように食事のメニュー表は表紙がぬり絵になっており、ガラス張りで中がのぞける厨房の脇には昔懐かしい黒電話を設置。
「ダイヤルすると厨房のシェフと話ができるのです。僕のお料理はまだ?みたいな……(山崎氏)」何とも粋な計らいです。
ちょっと背伸びしてコドモがオトナになる
インテリアも実にセンスが良く楽しい空間。窓際には、同じ色や柄で、サイズが違う、大小のソファが並びます。
「子どもは、大人と一緒、真似をしたいという欲求がありますよね。100本のスプーンでは、ナイフとフォークをお子様にも準備し、料理もほぼすべてにハーフサイズをご用意しています。またソファは、あえてキャンバス地を利用しています。丁寧に使わないと汚れてしまう……そんなことを意識して、お子様の自立心も芽生えればと思います。(山崎氏)」
お客様の過ごす時間をデザインする接客の工夫
店内は4つのゾーンに分かれ、お客様の顔ぶれを見ながら最適な席へ。小さいお子様連れなら、大小のソファが並ぶ窓際の席、その様子を垣間見られる少し離れた空間にはカップルや年配のご夫婦などを通すそう。
「カップルのお客様は、親子連れの姿を見ながら将来を思い描き、年配のご夫婦は子ども達の小さな頃やお孫さんのことなどを話されることが多いです。(山崎氏)」
パパとお子さんで訪れた時には、脚に梯子がついた冒険心をそそるカウンター席をおススメすることもあるそう。
「どんな会話が生まれ、どう過ごして頂けるか。食事だけではなく、家族で食事を囲む時間をイメージしています」と山崎氏。
お子様連れが感動する食事やサービスは後編で
心地よく温かい空間やサービスには「家族の幸せな時」を願う熱い気持が込められているのがお話しから伝わってきます。後編では、お子様連れが感動する食事やサービスについて、詳しくご紹介します
<取材協力>株式会社スマイルズ http://www.smiles.co.jp/
<関連リンク>
100本のスプーン FUTAKOTAMAGAWA http://100spoons.com/
著者
- 旅行ジャーナリスト 村田和子
- 1969年生まれ、1児の母。新聞・雑誌・テレビ等で、消費者目線で役立つ情報を提供し、旅行サイトや宿のアドバイザーとしても活躍。2011年、子連れで47都道府県を制覇した経験から、家族旅行を応援するサイト「家族deたびいく」の運営開始。2013年、子どもの成長と家族の絆を深める「村田和子式 親子の旅育メソッド」を発表。家族旅行のスペシャリスト。